零戦模型をつくる!アシェットとデアゴスティーニどちらがよいの?

アシェット零戦52型、ディアゴスティーニ零戦21型ガイドブック 模型製作関係

アシェット・コレクションズ・ジャパン株式会社「ダイキャストギミックモデル零戦五二型」 株式会社デアゴスティーニ・ジャパンの「週刊零戦をつくる」、2つの零戦模型の特徴を比較してお伝えします。 

完成した状態の販売コマーシャルを参考にして、選択購入するのが一般的ですが、それで購入してしまうと模型製作に挫折してしまう場合が多いと思います。 

模型製作の途中で挫折しない模型選択のポイントをお伝えします。

( 注 ~  モデル名が長いので、以下のように省略して説明します )

  • ダイキャストギミックモデル零戦五二型」→【零戦52型】
  • 「週刊零戦をつくる」→【零戦21型】

模型好きなら一度は作りたい、大型の零戦模型

零戦の模型で大型の物(1/32スケール以上)は、あまり見あたりません。

現在、大型の零戦模型で入手可能なものはアシェット【零戦52型】と、デアゴスティーニ【零戦21型】の2点です。

アシェット零戦52型 刊行 第62号

デアゴスティーニ零戦21型 刊行 第62号

 2点とも販売は終了していますが、オークションなどでよく見かけます。どちらにしても販売終了のものなので、手に入れたい方は早めに行動した方がよいと思います。

まったく性格の違う2社の零戦模型 

アシェット【零戦52型】とデアゴスティーニ【零戦21型】は模型としての性格がかなり違います。 

模型内容は両社とも金属製の零戦の大型模型です。しかし、実際に製作するとわかりますが内容は大きな違いがあります。

アシェット【零戦52型】の特徴

アシェット【零戦52型】は、電動ギミックが特徴の製品です。

構造は、電動で稼働する多くの部品を機体内部に効率的に配置しています。

電子部品は、使用している電動部品の動きをスムーズにコントロールしています。
零戦の飛行状態を電動での動き、光、音で再現しています。そのため、電子部品や電動部品の不良は、深刻な問題を引きおこす結果になります。

デアゴスティーニ【零戦21型】の特徴

デアゴスティーニ【零戦21型】は、本物の零戦の設計をできるだけ再現した作りになっているのが特徴です。

構造はアシェット【零戦52型】に比べて細かな金属部品を多く使用して精密な機体構造再現しています。( かなり薄くて軽い金属の部品が多く使用されています。 )

その結果、機体の骨組みは本物の零戦をそのまま縮小したような忠実な作りになっています。
内部の骨組み、エンジン、操縦席の作りなどすべてが凝っていて、本物の零戦に近い構造を再現した模型になっています。

電子部品はアシェット【零戦52型】に比べると殆どありません。
電気を使うのは機体外部灯や操縦席室内灯のLEDのみです。

あとは、オプションで電動ギミックのエンジンがあります。モーターでプロペラを回し、エンジン音もでるものです。たまにオークションに出てることはありますが、今では入手は難しいかもしれません。

アシェット【零戦52型】とデアゴスティーニ【零戦21型】の比較表

  アシェット【零戦52型】 デアゴスティーニ【零戦21型】
特徴 電動ギミックで零戦の動きを再現しています。 精密な模型構造で零戦を再現しています。
構造 ダイキャスト・樹脂・合金で零戦を再現。見えない内部構造には電子部品や電動部品が効率的配置され、樹脂製の部品も多用しています。 零戦の精密な機体構造を薄くて軽い金属で忠実に再現しています。精密な構造のため小さい部品を使用し、部品の点数も非常に多くなっています。
電子部品 零戦の動きを再現する多数の電動部品は、大きめの電子部品で集中コントロールされています。 電子部品に該当するのは、オプションのエンジンのみです。他に電気を使うのは機体外部灯や操縦席室内灯のLEDのみです。
その他 樹脂製の部品を多用しています。 零戦の羽布素材は、厚紙で再現しています。

デアゴスティーニ【零戦21型】は、精密な機体構造を表現をするために部品の点数は700点以上となっています。部品の点数が多いということは、結果として模型製作にかなりの時間が必要になります。

2つの模型とも機体外部灯や操縦席室内灯はLEDを装備していて、実物の零戦と同じ仕様になっています。

2つの模型は、製品の素材も大きく違いがあります。

  • アシェット【零戦52型】は全体の30%以上が樹脂製に見えますが、機体外殻にダイキャストを使用しているためかなり重さがあります。

  • 対してデアゴスティーニ【零戦21型】は殆どが金属製ですが、本物の零戦のように部材自体がかなり薄く軽量なため大きさほど重く感じません。

アシェット零戦52型コックピット

  アシェット零戦52型のコックピット部分 ~ 元のコックピット部品の色がおもちゃぽい色なので、機内色で塗装したりスミ入れで雰囲気を出しても良いと思います。

ディアゴスティーニ零戦21型コックピット

デアゴスティーニ零戦21型のコックピット部分 ~ 接着剤で塗装色が落ちたりしますが、根気よく作業をやりましょう。計器板のメーターまわりに黒を入れると良いかもしれません。

零戦模型の外部塗装の楽しみ方

零戦の機体は、塗装のやり方や塗装色でいろいろ楽しめます。

まず、アシェット【零戦52型】とデアゴスティーニ【零戦21型】の外形の状態と材質を比較してみると以下のようになっています。

  • アシェット【零戦52型】
    [1/18スケール]~全長50.7cm・全幅61.1cm・全高19.5cm~材質(ダイキャスト・樹脂・合金)

  • デアゴスティーニ【零戦21型】
    [1/16スケール]~全長約56cm・全幅約75cm・全高約21.5cm~材質(アルミ・ホワイトメタル・厚紙)

零戦52型は零戦21型に比べてサイズ的には少し小さく、材質はダイキャスト・樹脂・合金です。
機体色は、おなじみの暗緑色で塗装済みになっています。

塗装にあとで手を加えるとすると、主に機体の色落ちや汚し関係の表現に限定される感じです。

台座の上の板は継ぎ目のみえるグレーのそっけないものです。そこで、ジオラマで使用されるベージュ色のシートを台座上面の板の上に敷きました。グレーの板や板の継ぎ目も隠れて見栄えがよくなります。

アシェット零戦52型完成品

アシェット零戦52型の完成品(下の台座にジオラマ用のシートを敷いています)

対して零戦21型は零戦52型に比べてサイズは大きく、材質はアルミ・ホワイトメタル・厚紙です。機体色は、無塗装状態ではアルミ色になっています。

デアゴスティーニの零戦21型(未塗装)は、零戦初期の機体色の明灰色(アメ色)が指定塗装色になっています。機体色でかなり模型の印象はかわりますが、元が無塗装のため、自由に塗装色が楽しめます。

塗装無しのアルミ色(地金色)のままにしたり、零戦52型と同じ暗緑色にもできます。 実際、太平洋戦争後半になると零戦21型も暗緑色に塗装されていました。

私の場合は、オリジナルを大事にしたいのでアメ色塗装ですすめました。外板のリベットは塗装すると目立たなくなってしまうので、大変ですがリベットの打ち直しをした方がよいと思います。

ほかにも、模型の塗装はなしで、アルミの外板も貼らず、骨組みだけのスケルトンモデルでも製作は楽しめます。外板を貼らないので、精密な機体構造が楽しめます。

アシェット零戦52型左翼骨組み

アシェット零戦52型の左翼の骨組み部分 ~ ネジはしめすぎるとダメになるのでほどほどの強さで締めましょう。

ディアゴスティーニ零戦21型左翼骨組み

デアゴスティーニ零戦21型の左翼の骨組み部分 ~ 補助翼の厚紙は大変貼りにくいので慎重に位置決めをしてクリップなども利用して接着しましょう。こちらの小さいネジも締めすぎるとダメになるので注意しましょう。

2つの零戦模型の選択ポイント

アシェット【零戦52型】の特徴は、地上での駐機、離陸、飛行、着陸までの状態を再現する電動ギミックにこだわった点です。

デアゴスティーニ【零戦21型】の特徴は、本物の零戦の精巧な構造をできるだけ忠実に再現することにこだわった点です。

普通は、自分の好みがどちらかで選択することになるかと思います。 
しかし、ほかに選択する上での大きなポイントがあります。

  1. 製作時間の問題
    ( 私の主観での判断です~細部も手を抜かずにヤスリがけ、塗装をして製作した場合 )

    アシェット【零戦52型】の場合、半年程度
    デアゴスティーニ【零戦21型】の場合、数年程度

  2. 不良品発生問題

    アシェット【零戦52型】の場合、不良部品の交換対応の問題

    不良部品の交換に現在も対応しているのか、確認が必要です
    ( 例 ~ 主脚の稼働用モーターが不良品で動かない問題がありました )

  3. ハンダ付けなどの補修作業の問題

    アシェット【零戦52型】の場合、ハンダ付けの補修作業対応の問題

    機械部品の取扱いに注意しないと配線が断線したり、ハンダ付けが外れたりしやすい
    不良箇所の特定にテスターが使用できるとよいです

    ( 外れたハンダ付け箇所や断線箇所のハンダ付けの作業が必要になります )

以上のような点をよく理解した上で零戦模型を購入すれば、問題が少なくなり模型製作は楽しめると思います。

2つの零戦の選択ポイントの比較表

  アシェット【零戦52型】 デアゴスティーニ【零戦21型】
模型製作期間 半年程度 2~3年程度
不良部品の交換 販売会社へ問合せが必要
(在庫が有れば可能では?)
交換品をインターネット上で探して、購入する方法で対応する
ハンダ付けの修理作業 断線箇所を特定してハンダ付け作業を行う(熱に弱い部品に注意) 特になし

模型の製作期間は短い方がいいという方は、アシェット【零戦52型】がおすすめです。

模型の製作期間は長くてよいが、電子部品、電動部品の不良品の交換作業や修理に不安がある方には、デアゴスティーニ【零戦21型】がおすすめです。

模型製作のポイント

アシェット【零戦52型】とデアゴスティーニ【零戦21型】を効率的に完成させるための製作ポイントは、以下のようになります。

アシェット【零戦52型】

機体の外殻を取り付けない状態で、試験的に動作確認を行い、部品の不良箇所の確認をするようにします。

組み立てた後に動作確認を行い部品の問題点に気づくと、機体の外殻の分解をして部品の交換や補修の作業をすることになり二度手間になります。
機体の外殻の部品を組み立てない状態で、全体の電動動作確認を行うのがポイントです。

デアゴスティーニ【零戦21型】

細かな作業が多いので、とにかく根気よく続けることが大切です。

部品の点数が多く、細かい作業が続きます。がまん強く作業を続けることが大切です。

まとめて部品を塗装する方が効率的な場合も多いです。説明書の組立手順にとらわれないで自分の検討したやり方で塗装作業は進めましょう。

模型発売当時のスプレー塗料のほとんどは、販売終了で現在は入手できません。似た色の塗料を探してエアブラシ塗装をすることになります。特に機体色のアメ色は微妙な色ですが、タミヤのラッカー塗料LP-33あたりが近い気がします。

細かな塗装などで筆が入らないところは、スミ入れ用のペンなどを利用するのもよいでしょう。

金属パーツは日本製とのことですが、やはりひずみなどはあります。金属パーツの接合部が合わない場合は無理をせず、パテなどで穴を埋めて新たに穴を開けたりする作業も必要です。

《 まとめ 》

アシェット【零戦52型】とデアゴスティーニ【零戦21型】はともに大型の零戦模型ですが、素材、製作工程、必要な製作時間、完成時の特徴がまるで違うものと言えます。

販売会社のコマーシャルにある完品時の特徴に加えて、実際の模型製作での問題点(製作時間の長さ、不良品の発生、部品の補修などの問題)をよく検討した上で製品を購入しましょう。

これが、製作の途中で挫折しない大型零戦模型の選び方のポイントになります。

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