塗装ブースを購入するときに気をつける点は何か?選択のポイントの優先順位が間違っていませんか?
塗装ブースは購入してから最低数年は使い続けるものですから、後で問題の起きにくい製品(ネロブースなど)がよいです。
私がこれまでいくつかの塗装ブースを使用して気づかされた点、後悔した点などを踏まえて塗装ブース購入のポイントお教えします。
これが分かれば、理想の塗装ブースを購入して楽しい趣味ライフを過ごせますよ。
購入する前に誰でも考える一般的な内容
塗装ブースを購入する場合、気になるのは製品の価格、性能( エアブラシや缶スプレーの塗装ミストの排出性能 )、静粛性、製品のサイズなどではないでしょうか?
後で後悔しないように検討されると思いますが、製品の購入前では製品の価格とサイズは分かりますが、実際の使用感などは分かりません。 結局、実際の使用感は口コミ評価などを参考にして推測することになります。
実際に使用してから後で気づく問題点
私はこれまで数台の塗装ブースをエアブラシや缶スプレーで使用していましたが、不満な点は必ずいくつか出てきていました。
例としては、以下のような問題点です。
- 塗料の臭いが長く部屋に残る
- すぐにフィルターがつまり吸い込みが悪くなる
- 動作時の音が大きくうるさく感じる
- 排気が弱く吹き戻しがある
- フィルターの掃除や取り替えのメインテナンスがやりにくい
- 大型の模型だと塗装ブースからはみ出してしまう
- 塗装ブースを使っているのに防毒マスクが必要になる
塗装ブースを使用してすぐ分かってしまうことは、性能がいまいち良くないことです。簡単に問題点を見つけしまうことが残念でした。
選択の最重要点とは
実は、塗装ブースの選択で何よりも優先することがあります。
購入予算や設置場所の制限があるかもしれませんが、一番に優先することは使用者と周りの家族の健康です。 性能がよい塗装ブースだと風量が大きいので塗装ミストや溶剤の臭いを部屋から屋外へ残らず排出してくれます。
塗料という溶剤を使用することは、健康にたいするリスク( 危険度 )が増すということです。なんといっても健康でなければ模型製作も楽しめません。
臭いや健康被害で家族に迷惑をかけることなく長く趣味を楽しみたいなら、風量が強く、排気性能が良い塗装ブースを慎重に選択すべきです。
高性能なネロブース
人気のネロブースは強い風量で缶スプレーやエアブラシの塗料ミストや溶剤臭を外部へ強力に排気してくれます。風量の強さや静粛性は、塗装ブース製品の中でも一番の性能です。つまり、音も静かで臭いも殆ど感じないレベルということです。
また、強力な排気性能のため、塗装部屋全体の換気にも使用できますよ。
メインテナンスは、作業量にもよりますが2~3年に一度のファンの掃除で良いところもすばらしいと思います。これまでの塗装ブースは頻繁にフィルターの掃除や交換が必要だったので大変助かります。
私がネロブースを導入した経緯
ネロブースを導入したいと考えたのには、あるきっかけが有りました。
模型の塗装作業では、作業部屋に塗料の溶剤臭が充満し頭痛がすることがありました。そのため、8年ほど前から国内メーカーの塗装ブース使用して、溶剤臭を外部に排気するようにしました。
実際の塗装作業では、塗装ブース自体の排気性能が弱く吹き戻しがあるので、念のため防毒マスクも併用していました。
マスクのフィルターを交換しようと思いフィルターの汚れを見たときです。かなりフィルターが塗料ミストで汚れていて驚いたことがありました。
塗装ブースを使っていても、塗料ミストが屋外へ排出されず部屋にまだかなり残っていることがわかりました。
また、模型の塗装作業を終えた後は部屋に塗料の臭いが残り、いつも部屋の換気が大変でした。 自分や家族の健康に良くないし、部屋自体の汚れも無視できません。
というような経験をしたため、最終的にはネロブースの購入となりました。

過去に使用していた塗装ブースと併用していた防毒マスクと使用済のフィルター
模型部屋に導入したネロブースについて

現在使用中のネロブース
現在使用中のネロブースは、重さが約16.5㎏ありますので頑丈な台に設置しています。
サイズは、本体がW500×D500×H530mmですが、別注サイズ(別途見積必要)にも対応しているようです。
たとえば、幅500mm → 650mmに変更することも可能です。
たいていの模型はブース内に入りますが、1/350サイズの戦艦大和あたりの模型ですと斜めに入れても少しブースからはみ出ます。
排気ユニット(シロッコファン)のサイズは、W255×D255×H528mmですが、シロッコファンの製品で異なる場合が有ります。
設置作業として、排気ユニットに接続したアルミダクトパイプで室外に排気するための設置作業が必要になります。
自分の場合は、模型部屋にもとから有る換気扇のダクトを利用しました。
アルミの排気ダクトパイプと換気扇のダクトパイプのサイズがわずかに合わない問題がありました。
いろいろ検討したすえに、ホームセンターでダクトパイプの口径を変えるアタッチメントを購入してつなぎ合わせることに成功しました。
下部の吸い込み口は、強力な風量でティッシュペーパーなどを吸い込まないように市販のハニカム形状のフィルターを挟み込んでいます。
個人的には、市販の猫の爪とぎを流用するより、国内有名メーカーの塗装ブース用フィルターをおすすめします。ハニカムの穴のサイズがちょうど良い大きさだと思います。
本体は金属製なので掃除は楽ですが、不用な厚めの紙を貼付けて汚れの付着を防いでます。
また、上部にはマグネット式のLEDライトを設置しています。
( 追記 )
ネロブースを使用していて感じることは、
本来であれば、大きな塗料メーカーや模型メーカーがネロブースのようなものを開発・販売しそうなものですが、それができなかったところが不思議でした。
ネロブースの性能を体験した結果、現場ユーザーの視点で開発する物づくりが、製品の進歩、改善の原動力になっているんだと感じたしだいです。
《 まとめ 》
ネロブースの長所をまとめると、以下のようになります。
- エアブラシや缶スプレーの塗料のミストや臭いを強力に屋外へ排出
- 排気が強く、吹き戻しがない
- フィルターやファンの掃除の手間が少ない
- ある程度の大型の模型でも塗装ブース内におさまる
- 塗装部屋全体の換気にも使える
塗装ブースの購入を検討するとき、価格や設置サイズ、手軽さなどが重要だと思いがちです。しかし、一番重要な選択ポイントは使用者の健康面への考慮や家族などの他者への配慮です。
そうなるとエアブラシの塗装に最適な塗装ブースは、ネロブースやネロブースmini、互換ブース(音が少し大きめ)あたりの製品を選択すれば風量、排気性能、静粛性で問題は殆ど無くなります。
いずれの製品も高性能であるため健康面のリスクは少なくなります。
いくら模型の塗装は趣味の世界だと言っても、そこには健康被害や他者への迷惑を引き起こすリスクがあります。
結論としては、これが模型製作を趣味として安心して長く楽しめる選択になります。
コメント